Azure AI Apps and Agents Developer Associate (AI-103) 合格体験記
今回は2026年9月25日に受験した Azure AI Apps and Agents Developer Associate (AI-103) について、どのような認定試験か、どのように試験の準備 (学習) を行ったか、実際に受験して感じた内容について書きます。本記事は2026年9月25日現在の記事のため、今後のアップデートにより試験内容や出題範囲の変更となる場合があります。

Azure AI Apps and Agents Developer Associate (AI-103) とは
概要
Microsoft認定: Azure AI アプリとエージェント開発者アソシエイト
Azure AI Apps and Agents Developer Associate (以下 AI-103) は 2026年4月Microsoft Foundry を中心とした Azure の AI サービスの設計、開発、デプロイ、運用・管理に関する知識を問う認定試験です。2026年4月頃にベータ版が公開され、現在は正式版としてローカライズされた言語での受験もできます。2026年6月30日に廃止された Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution (AI-102) と比べ、Microsoft Foundry の機能を中心に AI エージェントの開発や関連するサービス、セキュリティ、評価・監視のような内容を中心としています。AI-103 では 5つのスキルについて知識を問われます。
- Azure AI ソリューションの計画と管理 (25 ~ 30%)
- 生成 AI とエージェント ソリューションの実装 (30 ~ 35%)
- コンピューター ビジョン ソリューションを実装する (10 から 15%)
- テキスト分析ソリューションの実装 (10 ~ 15%)
- 情報抽出ソリューションの実装 (10 ~ 15%)
AI-103 は試験合格から 1年間有効となります。有効期限の半年前には更新試験の案内があり、1年ごとに更新試験に合格することで認定資格を保持できます。
学習ガイド (試験概要)
AI-103 の学習ガイドは Microsoft Learn で公開されています。学習ガイドには試験でどのような内容が問われるか、どういった観点を問われるか、について記載されていて学習の指針となるため初めに確認しておきましょう。
試験 AI-103 の学習ガイド: Azureでの AI アプリとエージェントの開発
学習時間 (期間)
仕事や社外のコミュニティ活動の準備の合間に勉強をしていたため、約1ヶ月程度ゆっくり学習しました。Azure の AI サービスや AI 周りについてあまり触れてきていない場合はサービスを触る時間を含め 1ヶ月程ゆっくり時間を取るのが良いです。逆に業務でこれらのサービスを使用したことのある方やある程度触ったことのある方で集中して学習する時間が取れるのであれば 1~2週間程度で合格できるかと思います。
特に AI の開発に関する認定試験のため、コードや API の記述あたりに苦手意識を持っている人は少しじっくり勉強しても良いです。最近はコーディングエージェントによりあまりコードを読まない、みたいなことも増えてきたりするため、最低限試験で出てくる程度のコードについては簡単に読めるくらいにしておきましょう。
学習コンテンツ
AI-103 の学習に当たり以下のコンテンツ、ツールを使いました。AI-103 自体が登場したばかりのため、
- MS Learn
- 動画コンテンツ
- 公式ドキュメント
- AI Skills Navigator の Practice Assessment
- 生成 AI が作成した簡易的な問題集
MS Learn
こちらは AI-103 の認定試験ページで紹介されている試験範囲の MS Learn です。試験で問われる Azure サービスや AI 開発における基本的な知識について学習できます。各 Learn の最後には実際にサービスを触る演習が含まれているため、Azure の AI サービスについてあまり触ったことのない方はこちらの演習でどのようなことができるかを学んでおきましょう。
動画コンテンツ (AI Skills Navigator)
AI-103 Develop AI Apps and Agents on Azure Study Cram
こちらは後述する AI Skills Navigator でも提供されている AI-103 の学習動画です。短期集中学習、とのことで短期間で試験範囲の概要を学びたい方や文章のコンテンツがちょっと…、という方にはおすすめです。また、動画の時間は長いですが通勤時間や休憩時間でサクッとみることもできるため、隙間時間にちょっと勉強するのにも良いです。英語の動画ですが、YouTube の自動翻訳で字幕をつければ日本語で学習できるため、英語が苦手な方でも学習できます。
公式ドキュメント
- Microsoft Foundry のドキュメント
- Microsoft Agent Framework
- Azure Speech のドキュメント
- Azure言語のドキュメント
- Azure Vision に関する Foundry Tools のドキュメント
- Foundry Tools の Azure Translator のドキュメント
- Azure Content Understanding in Foundry Tools ドキュメント
- Foundry Tools のドキュメントにおける Azure ドキュメント インテリジェンス
- Azure AI 検索のドキュメント
こちらは Microsoft の公式ドキュメントです。MS Learn や動画学習などで疑問点、曖昧な点が出た時はドキュメントを確認して理解します。最近は疑問点や不明点を生成 AI で確認することも多いですが、AI の出した回答内容について公式の情報源から確認しておくことも大事です。また、AI-103 はロールベースの認定試験で試験中に公式ドキュメントを確認できるため、実際の内容がどこに記載されているか、公式ドキュメントの検索フォームでどのような用語で検索すればよいかも押さえておきましょう。試験中は生成 AI による確認ができないため、検索フォームの検索結果の出方やどこにあるかを押さえておくと、試験中にちょっとわからないところを調べるのに有効です。
AI Skills Navigator の Practice Assessment
AI-103: Microsoft 認定: Azure AI アプリとエージェント開発者アソシエイト
こちらは Microsoft が提供している学習サイトです。AI-103 の認定プラクティスはこの AI Skills Navigator で提供されています。従来の認定プラクティスよりも実際の試験のような画面や試験形式で問題を解くことができるため、知識の確認や本番の認定試験を想定した準備には便利です。ただし、現時点で英語の提供のみでありブラウザ側で翻訳ツールを制限されるため、こちらを行うには英語を読んで実施する必要があります。
生成 AI が作成した簡易的な問題集
最近では、公式が提供するコンテンツや MeasureUp、Udemy のような問題集以外にも、学習ガイドや参考となる MS Learn の URL を生成 AI に渡して簡易的な問題集を作ってもらうこともできます。筆者は ChatGPT を使って問題集を作ってもらい、基本的な知識がどの程度身についたか、苦手な分野の問題集を作ってもらい知識の補強をする、といった使い方をしていました。ただ、単純に問題集を作って、とだけプロンプトを渡すと想定よりも簡単な内容が出てきたり、意図した学習にならない、みたいなケースがあったため、生成 AI に問題集を作ってもらう場合はある程度具体的な指示が必要となります。参考として、どんなプロンプトを入れていたか置いておきます。
あなたはMicrosoftのAI製品に精通しているエンジニア兼トレーニング講師です。公式の情報に基づいた適切な内容を回答することに精通しています。
## 依頼事項
学習ガイド、MS Learn、問題形式、問題難度、制約事項を基にAI-103の基礎的な内容を学習できる問題集をMarkdown形式のファイルで〇〇問作成してください。
## 学習ガイド
学習ガイドは以下のリンクとします。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/resources/study-guides/ai-103
## MS Learn
参照するMS Learnのラーニングパスは以下とします。モジュールの内容を参照し問題内容の参考としてください。
- https://learn.microsoft.com/ja-jp/training/paths/develop-generative-ai-apps/
- https://learn.microsoft.com/ja-jp/training/paths/develop-ai-agents-azure/
- https://learn.microsoft.com/ja-jp/training/paths/develop-language-solutions-azure-ai/
- https://learn.microsoft.com/ja-jp/training/paths/insight-visual-data/
## 問題形式
問題は実際の試験に似せるためユースケースを用いた問題形式とします。
問題形式は以下の形式で作成してください。
- 単一選択肢
- 複数選択肢(解答2つまたは3つ、選択肢の数は5個となるようにしてください)
- Yes/Noの選択
- 設定値、コードの穴埋め問題(どの設定を行うか、SDKのようなコードの穴埋め、など)
- 設定手順問題
問題文は以下のような形式にしてください。
### 例1
あなたは〇〇のアプリケーションを開発しています。
〇〇を行うために△△を設定する必要があります。
<問いの内容>
### 例2
あなたはMicrosoft Foundryの〇〇を使って△△を行おうとしています。
モデルの出力結果で□□が頻発しています
□□を解決し、要件に合った挙動を行うようにしたいです。
<問いの内容>
## 問題難度
実際の試験を想定し難しめな難度となるようにしてください。
<技術的な内容やコードに関する問題を多めに作成してください、などの要望を入れる>
## 制約事項
- 問題の回答には「正解の理由」「不正解の理由」の解説を詳細に説明してください。
- 問題の回答には根拠および参考となる公式ドキュメントのURLを添付してください。公式ドキュメントは ja-jp の日本語表示となるようにしてください。
- 回答の根拠に個人のブログメディア(例:Qiita、Zenn、DEV、Medium、など)は使わないでください。
- コードの問題を作成する場合はPythonのコードとします。また、問題でサンプルコードが必要な場合は必要に応じて作成してください。
- 問題の選択肢について、明らかに不正解となるような選択肢、文脈で回答を判断できるような選択肢は避けてください(例:APIキーをハードコードする、モデルの出した内容は必ず正しいので確認せず使用する、〇〇だけ使用する、など)
- 「解答を見る」は該当の問題のみ解答を表示するようにしてください。
- 問題作成後に事実と異なる問題内容、回答が無いか、リンク切れや問題内容と異なるリンクが無いかのチェックをしてください
試験の申込
試験の準備ができたら試験の申し込みを行います。Microsoft の認定試験のため、Pearson Vue 経由で試験の申し込みができます。認定試験の概要ページ下部にある「Pearson Vue を使用してスケジュールを設定する > 試験のスケジュール設定」から試験日程、会場を選べます。
Microsoft認定: Azure AI アプリとエージェント開発者アソシエイト
試験はテストセンターでの受験かオンラインで受験できます。当日にネットワークや受験する部屋の調整でトラブルを避けたい方はテストセンターでの受験をおすすめします。
試験当日
2026年9月25日に 高田馬場のテストセンター で受験しました。受付で試験開始時間と受験する試験を話すと試験内容に問題ないかの確認があります。こちらで問題なければ署名を行い、荷物を預けたのち試験用のメモを受け取り試験会場に行きます。試験環境ではヘッドホンや耳栓もあるため、周囲の音が気になるようであれば利用しましょう。
Microsoft 試験は 1000点満点で 700点以上のスコアで合格となります。試験や守秘義務の同意を行うと試験が始まるため心の準備をしておきましょう。また試験官の説明どおり最初の同意を行わないとその場で試験が終了となるため、押し間違えないように注意してください。
具体的な試験内容は同意事項の関係で記載できないため、試験を受けてどのような感じだったかを大まかに書きます。ロールベースの試験で単独の試験とケーススタディ試験の 2つで構成されていました。開発に関する試験のため、コードや具体的な設定内容以外にも、こういうケースの時にはどういうサービスを使うのか、どういった概念のソリューションを選ぶのか、みたいな問題も結構ありました。問題によっては割と即答できるような問題もある半面、コードや API の設定内容のように文脈でとれる問題もありました。中には実際にサービスを触っていないと分からない問題もあるため、サービスはもう少ししっかり触っておいても良かったなと思いました (特に Azure AI Search 周り)。悩む問題でドキュメントを検索してたりすると想定より時間の経過が早いため、一定時間まで調べてダメだったら直感で回答する、みたいな時間配分には注意しましょう。あと、コードの問題は Python で出題されるため、他の言語で Foundry SDK や Agent Framework を使っている方は Python で記述されても読めるようにしておきましょう。
試験を終了するとすぐに試験結果が表示されます。アンケートの回答は特に無いため、結果を確認後はすぐ試験会場から退出します。
試験結果
試験結果は以下のとおりです。
| スコア | 試験結果 |
|---|---|
| 750点 | 合格 |
各セクションの具体的な記載されていないため正確な値は出ていませんが、Foundry のモデル、エージェントやコンピュータービジョン関連は高めでテキスト分析、情報抽出関連のスキルが低めでした。低めな部分はちょっと自信が無かったため納得のスコアでした。
試験を受けた後の感想
Microsoft Foundry は業務で Azure OpenAI Service を少し触ったことのある程度だったので何となく雰囲気はつかんでいましたが、細かい機能や AI エージェント周りのサービスについて知らないことも結構あったので良い勉強になりました。また、単純なチャットやエージェントだけでなく、ドキュメントや言語、画像と関連するサービスについても知識が深まった印象があり良かったです。試験が終わったのでここで終わり、ではなくサービスを組み合わせて他にどのようなことができるかを試していきたいです。
開発系の認定試験となるため、開発業務にあまり触れていない方には少し難しいと感じてしまうかもしれませんが、開発業務を行っている方であれば、Azure の AI 開発に関するスキルの向上には良い内容です。Azure の AI サービスについて詳しくなりたい方は学習して試験を受けてみると良いかと思います。
