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Administering Microsoft Azure SQL Solutions (DP-300) 合格体験記

今回はMicrosoft の認定資格・Administering Microsoft Azure SQL Solutions (DP-300) の受験から合格までの学習方法や試験形式などについて説明します。本記事は2023年6月25日の記事であり、時間経過により一部出題範囲や用語など異なる場合があるためご注意ください。

Administering Microsoft Azure SQL Solutions (DP-300)とは

試験概要

試験 DP-300: Microsoft Azure SQL ソリューションの管理

Administering Microsoft Azure SQL Solutions (DP-300) はAzure のSQL Server、SQL Database に関する管理を中心とした試験となります。主にAzure 上のSQL Server とSQL Database サービスに関する知識、オンプレミスのSQL Server からAzure 上のSQL Database サービスへの移行、T-SQL などを利用したデータベース管理やセキュリティ、パフォーマンスのチューニングなどSQL Database に関する幅広い知識を求められます。Azure 上のSQL Database サービスを利用した開発者やデータベースの管理者、SQL Database サービスに関する知識を取得したい方におすすめです。DP-300 はAssociate レベルの試験とされており、Azure Database Administrator Associate 取得の要件とされています。

試験範囲

DP-300 の試験範囲は以下URL から確認できます。

試験 DP-300: Microsoft Azure SQL ソリューションの管理に関する学習ガイド

受験料

DP-300 の受験料は23,213円 (税込) です (2023年06月24日現在)

使用教材・サイト

DP-300 取得のために使用した教材は以下の通りです。

  • SQL Server の書籍
  • MS Learn
  • 公式ドキュメント
  • Microsoft 公式問題集 (Measureup)
  • 認定プラクティス評価

SQL Server の書籍

DP-300 はSQL Server に関する試験のため、SQL Server の知識が必要となります。SQL Server の学習のために以下書籍を使用しました。

MS Learn

DP-300 の学習に使用したMS Learn は以下モジュールとなります。

公式ドキュメント

DP-300 の試験範囲に出るサービスの詳細や基本的な操作方法を理解するために公式ドキュメントを使用します。

Microsoft 公式問題集 (英語)

Microsoft 公式が提供しているDP-300 の問題集 (Measureup)です。基本的な知識がついた後、試験形式の問題に慣れるために使用します。ケーススタディやシナリオ問題を想定したものもあるため、試験の形式に慣れておきます。

Microsoft Practice Test DP-300: Administering Microsoft Azure SQL Solutions

認定プラクティス評価

Microsoft が出している試験を想定した問題集となっています。選択問題のみ出題されますが、問題に対する解説やドキュメントのどの部分を見ればよいかを出してくれるため、問題を解きながら知識を定着させるには良い教材です。ケーススタディやシナリオ問題は出題されないため、そちらの対策はMicrosoft 公式問題集を利用しましょう。

Microsoft 認定資格のプラクティス評価

勉強期間

DP-300 の勉強期間は以下のタイプで異なります。

SQL Server に関する知識、実務経験が無い、個人で軽くSQL Server に触った程度

DP-300 の試験はSQL Server に関する試験のため、前提知識としてSQL Server について多少理解していることが求められます。そのため、SQL Server の学習期間を含め2ヶ月から3ヶ月程度見ておいたほうが良いかと思います。

SQL Server に関する知識、実務経験があり、ある程度使いこなせている

オンプレミスでSQL Server を既に利用しており、知識や実務経験がある方はAzure 上のSQL Database サービスの理解も早いため、1ヶ月から2ヶ月程度の間で十分取得可能かと思います。また、業務などで既にAzure 上のSQL Database サービスを利用している場合はもう少し短く取得できるかと思います。

勉強方法

DP-300 の学習は以下の流れで実施しました。

  1. 試験範囲の把握
  2. SQL Server に関する学習 (省略可)
  3. DP-300 のMS Learn を一通り実施する
  4. 認定評価プラクティス、Microsoft 公式問題集をやる
  5. 公式ドキュメントを読みながらDP-300 に関連するサービスを触る
  6. 4、5 を繰り返す

試験範囲の把握

初めにDP-300 の試験範囲や試験で問われる観点を確認します。試験範囲を事前に把握することで、学習ポイントを絞ることができます。試験範囲の項目で記載したURL から以下の点をチェックしておきましょう。

  • 試験で問われる知識・観点
  • 試験で問われるAzure サービス

SQL Server に関する学習

次にSQL Server に関する学習を行います。主に使用教材・サイトで提示した書籍を中心にPC 上でSQL Server を動かしながら学習を行います。基本的なSQL の書き方などは問われませんが、T-SQL に関しては試験でも問われる内容のため重点的に学習します。

既にSQL Server の知識がある方や業務で利用している方についてはこのセクションを省略しても問題ありません。

DP-300 のMS Learn を一通り実施する

SQL Server の学習がある程度進んだところで、DP-300 に関連するMS Learn を学習します。試験範囲の概要やAzure 上のSQL Database サービスの基礎知識、基本的な操作は各モジュールで学習できます。MS Learn 内ではラボの演習がありますので、このあたりは実際に手を動かして学習することを推奨します。

認定評価プラクティス、Microsoft 公式問題集をやる

MS Learn で関連のあるモジュールを一通り終えたところでDP-300 の認定評価プラクティス、Microsoft 公式問題集を1回やります。この時点では恐らくまともな点数が取れない状態と思いますが、試験の形式や問題を解きながら知識を深めることを目的に学習を行います。また、どちらの問題集でも解説や公式ドキュメントのどの箇所を見ればよいかが記載されているため、確信を持って回答できなかった問題についてはドキュメントを読み込み学習します。

公式ドキュメントを読みながらDP-300 に関連するサービスを触る

問題集で分からなかった部分、理解の浅い部分に対し、公式ドキュメントの読み込み、SQL Database サービスを利用して理解を深めます。公式ドキュメントはすべて読むと膨大な量になるため、ある程度要点を絞って読まないと時間がかかってしまいます。また、公式ドキュメントのチュートリアルは基本的な操作を理解するには良いため、MS Learn のラボだけで足りない方はチュートリアル通りにサービスを利用しておくと理解が深まります。試験ではサービスの設定手順を問う問題も出題されるため、「このような設定を行うにはどういった要件が必要か」「どういった順番で設定すればよいか」を理解しておきます。

4、5 を繰り返す

一連の流れを実施後、Microsoft 公式問題集と認定評価プラクティス、公式ドキュメント、実際にサービスを触り理解を深めていきます。公式ドキュメントだけではイメージが掴みにくい部分は関連するサービスのブログやネット上のT-SQL 参考例などを見て理解を深めます。

試験本番

2023年6月24日 (土) に池袋のテストセンターで受験しました。

試験時間は120分、問題はケーススタディ1題と一般問題、シナリオ1題の計50問でした。問題数は受験者ごとに前後するためあくまで目安として捉えてください。合格点は700点以上で、ケーススタディ問題は完了ボタンを押した後に戻ることができず、シナリオ問題は回答後に見直し、回答の変更ができないため注意が必要です。

具体的な問題は掲載できませんが、Azure 上のSQL Server に関する設定手順やパラメーターの選択など、一問一答ですぐに回答できるような問題が少なめな印象でした。設定手順やT-SQL に関してもある程度手を動かし理解しないと難しい印象のため、単純な暗記だと合格は難しいと思います。すぐに回答できる問題が少ないことから、試験時間に関しても他の試験より多くかかった気がします。

試験問題を解く際は以下の点を意識しました。

  • 選択肢は消去法で考える。設定手順を答える問題では、不要な選択肢を外したり辻褄が合わなくなる組み合わせを外す。
  • 確信を持って答えられない問題、2分以上悩む問題は見直しチェックをつけ適当な回答をつける。見直しの時にちゃんとした回答をする。
  • データベースの構成は手元のメモで図解を書いて理解する。

試験時間については、見直しを含め20分程度残して終了しました。ケーススタディやシナリオ問題が他のAzure 試験より少なめだったため、一般問題部分を素早く進められるかになるかと思います。

試験結果

試験結果は以下の通りです。

点数

805点

結果

合格

試験セクションの成績は、詳細な割合を出すことができないため割愛します。

まとめ・所感

管理人自身データベースを扱う仕事をしているわけでなく、SQL Server も業務でほぼ利用したことがないため、SQL Server の学習から入りました。前提知識を必要とする試験のため、他のAzure 認定試験よりも難しく感じました。その反面、普段使ったことのないSQL Server やAzure 上のSQL Database サービスに関する知識を取得したり、SQL Server を利用する際の設計・構築、運用、移行に関する視野を広げることもできたと感じます。

今回の合格体験記が皆様の参考と慣れば幸いです。